サイトアイコン シネママニエラ

映画『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』心にグサっと突き刺さるものもいい

[シネママニエラ]大森立嗣監督、松田翔太主演『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の完成披露試写会が新宿ピカデリーで行われ、主演の松田、高良健吾、安藤サクラ、新井浩文、大森立嗣監督が登壇し、舞台あいさつを行いました。

高良健吾と松田翔太 ©2010「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」製作委員会

史上初のぶっ壊し! を生披露……

劇中で、安い賃金に劣悪な環境で働くケンタとジュンは、現状から抜け出すべく事務所を破壊し、ケンタに対し執拗ないじめを続ける上司 (新井浩文)の車や事務所をめちゃくちゃにぶっ壊して旅へ出るのだが。完成披露の会場には、劇中で実際に「ぶっ壊す」シーンで使用した、大ハンマーが用意されました。舞台上に積み上げられた高さ約90センチのコンクリートブロックの山を松田と高良がそのハンマーで力いっぱい振り下ろすと、ブロックは粉塵を起こしながら見事粉々に。

映画さながらの迫力ある見事な破壊っぷりを見せた後、松田は「この映画の撮影をするまで感情をストレートに感じることがあまりなかったんです。でも、すごく気持ちいいし、ケンタたちのストレートな生き方はかっこいいと思う。観たら明らかに自分が何かを抱えていることに気づくはず」と本作の魅力についてコメント。

イケメンのうっかりも、ご愛敬

また、松田と高良が劇中で、解体現場のひたすら壁を壊し続ける「はつり」と呼ばれる仕事をしていることにちなんで。観客へのサプライズとして、「サイン入りのニッカポッカ」をプレゼントするはずだったにも関わらず、登場時に持ってくるのをうっかり忘れてしまった高良。
「『翔太くんには持たせられないから自分が持つ』と言っていたのに、持ってないですね!」と松田がつっこむ。高良は慌てて恥ずかしそうにニッカポッカを取りに戻ると、劇中と同じくケンタとジュンのような仲睦まじいやりとりになり、会場は温かな笑いに包まれました。

松田翔太: 観たら明らかに自分が何か抱えていることに気づくはず。今日が思い出の日になる。心して観て下さい。

高良健吾: 脚本を読んだらジュンはバカでイヤな奴だったけど、人の顔色を見て動く人間。ケンタがうれしいならジュンもうれしいし、悲しいなら自分も悲しい。切ない人間だと思った。映画館で観てくれて嬉しい。3人の旅を見て下さい。

安藤サクラ: 観に来てくれてありがとう。私は今とても幸せです。カヨちゃんはワキガだけど、翔太くんが「ワキガじゃないよ」と言ってくれた。だから自分はワキガではたぶんないです。

新井浩文: ケンタ(松田)とジュン(高良)をいじめるものすごくイヤなヤツの役なので、上映前の舞台挨拶でよかった。本当は松田、高良とすごく仲がいいのに、役であんなにいじめたそのギャップをみてください。

大森立嗣監督: (タイトルについて)ケンタたちが住んでいるの国は、今のこの日本だ、という思い。最近はゆるい映画が多い中、たまにはグサっと心に突き刺さるものもいいと思う。

――と、それぞれが作品の魅力を語った。

映画『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』あらすじ

同じ施設で兄弟のように育ったケンタ(松田翔太)とジュン(高良健吾)の職業は、はつりと呼ばれる工事現場でひたすら壁を壊す仕事。低賃金と劣悪な労働条件に加え、職場の先輩・裕也からは理不尽ないじめに苦しめられている日々。そんなある日、2人は街で、ブスな女の子のカヨちゃん(安藤サクラ)と出会う。

映画『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』VOD

日本公開=2010年6月12日
配給=リトルモア
公式サイト http://www.kjk-movie.jp/

———————————–

大森監督の監督デビュー作『ゲルマニウムの夜』を東京国際映画祭で観たときには、前情報なしだったので「…」と絶句したのですが。本作と合わせると、受け止め方が変わりました。

ちなみに。大森監督は、俳優・大森南朋の実兄になります。

【関連記事】 2010年6月オススメ映画

[amazonjs asin=”B00475CJ1M” locale=”JP” tmpl=”Small” title=”ケンタとジュンとカヨちゃんの国 DVD”]

モバイルバージョンを終了