サイトアイコン シネママニエラ

山﨑賢人「生命力の強い男を演じられて幸せです」

俳優の山﨑賢人が主演映画『ゴールデンカムイ』の完成報告記者会見に出席し、「杉元という、すごく生命力の強い、心優しい男を演じられてうれしいです」などと語った。

不死身の杉元を演じた山﨑賢人

本作は、「実写化不可能」と言われた、野田サトル著の大人気漫画の実写化。マンダリンオリエンタル東京にて開催されたこの会見には山﨑さんをはじめ、山田杏奈、矢本悠馬、工藤阿須加、栁俊太郎、大谷亮平、玉木宏、久保茂昭監督、松橋真三プロデューサー(以下、松橋P)が登壇。原作者の野田さんからのコメントも寄せられた。

撮影現場では、「先生が見学に来られた時に『いろんなことを言われたりすると思うけれど、僕は味方ですから』と言っていただいて安心しました。その言葉に背中を押されました。みんな役にピッタリで、すごいです。みんな原作にリスペクトして、愛を持ってやっていました」と振り返った山﨑。松橋Pは、「その後、野田先生からお話をうかがうことがありまして。なかなか山﨑くんの口から自分のことを言うのは大変だと思うので僕が」として、「『山﨑さんは杉元と本質的に似ているところがあると思う』とおっしゃっていました。それは、私が思うに、カッコ良くて強いというところだけでなく、心根、人間の本質がとても優しくて、器が広くて、多くを語らずに行動で示すところを、直感的にご覧になって感じられたんじゃないかと思います。そこが杉元に似ていたんじゃないかと推測しています」と付け加えた。

野田サトルさんコメント
©野田サトル/集英社 ©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

そんな山﨑が役作りについて述べた。「強さを出すために体重は約10キロ増やしました。あとは、軍事練習もやりました。二〇三高地の戦いを撮影する前に、幼なじみの梅ちゃん(高畑充希)と寅次(泉澤祐希)とのシーンを撮影しました。戦争に行く前の杉元から丁寧に作っていけたので、男としての強さはあるけれど心優しい、という部分を撮影してから二〇三高地の撮影ができて良かったと思います。ワンカットでの長回しもあったのですが、“不死身”ということを表す上で、すごく意味のある撮影だったと思います。そこから、“金塊探し”になっていくんですが、戦争で傷ついた心、人間として忘れてしまった大事な部分をアシㇼパさんと出会い、少しずつ心がほぐれていくのを表現できたらと思ってやっていました」

アクションも体当たりで臨んだ。「冒頭の長回しもそうですが、狂気というか、杉元は生きるために「やられる前にやる」という鬼神のようだと言われる部分が出せたら良いなと思っていました。あとは馬ぞりですかね。馬ぞりは、引っ張ってもらって…。実際に地面の上を馬に引っ張ってもらったんです(笑)」。通常であればスタントに任せるようなアクションだ。久保監督は、「普通は合成などをするシーンなんですが、賢人くんはそういうところにも挑戦してくれる方なので、スタッフの甘えとリスペクトもあってやってもらいました。北海道の夜はハンパなく寒いんですが、そこで馬ぞりで雪を浴びながら、引きずられる。それは本当に過酷どころじゃなく、『すみません』としか言えないです。でも、それ以上に素晴らしいシーンが撮れました。夜の北海道での撮影は、肌も手も出していられない寒さの中で頑張っていただきました」と役者魂を称えていた。

左から大谷亮平、栁俊太郎、工藤阿須加、玉木宏、山﨑賢人、山田杏奈、矢本悠馬、久保茂昭監督、松橋真三プロデューサー

以下、各人のコメントをまとめました。

山田杏奈

すごく贅沢な環境で、素敵な俳優の皆さんやスタッフの皆さんと一緒に作ったものが世に出るんだと思うと感慨深いです。(アシㇼパを演じる上で)意識したことは、アイヌの少女ということで、文化的なものを学んで、アシㇼパの考えの根底には何があるのかをアイヌ語・文化監修の中川先生にも教えていただきながら、少しずつ作っていきました。彼女は信仰の部分を大事にしつつ、合理的なところもあって、原作でも「私は新しい時代のアイヌの女だから」と言っていますが、そういう部分も大事にしようと思いました。山の中を駆け回っていて、本当にたくましいですし、すごくしっかりとした考え方もそうですが、芯の強い人だなと思いました。
私は、ほぼほぼアクションは初めてで、走り方・立ち止まり方から教えていただきました。弓矢はおうちに持って帰って、家のカーテンに向けて撃つ練習をしていました(笑)。弓をつがえる動きが極力スムーズになれば良いなと思い練習しました。だから、本当に「皆さんすごいな」と完成した作品を観ながら思いました。

矢本悠馬

演じる上でもちろんプレッシャーはありました。もともと原作の大ファンで、たくさんのキャラクターがいて、どのキャラクターも魅力的で好きなんですが、僕は白石推しです。コメディ部分を担う以前に、まさか僕が演じられるとは思っていなかったので、すごい大作だし、それだけで肩に力が入ってガチガチでした(苦笑)。最初の一日目、二日目とかは調子が悪かったです。「撮り直してぇ!」って思うくらい力が入っちゃっていました(苦笑)。でも、白石は他のキャラクターと違って、志とかどうしてもという祈願もない中で金塊争奪戦に入っていく自由なキャラなので、「自分が固くなっていたら白石の良さを引き出せない」と思って、とりあえず全部忘れてやるようになってからは調子が良かったですね。特に辛かったのは、原作にもある雪山の川に入るシーンです。

映画『ゴールデンカムイ』劇中衣装の展示
工藤阿須加

月島は、鶴見の絶対的な命令を全て遂行する、冷酷でもあり機械的でもあるキャラクターです。映像を撮られている時は、小細工かもしれないですが、僕は目を開き過ぎると垂れ目になるので、なるべく開かないようにしたり、ちょっと顔を伏せ気味にしたりと、なるべく月島のイメージを外見からでも取り入れようと監督ともお話をしました。どうしても緊張すると声が上ずって高めになるんですが、なるべく重くてしっかりした声で言いたいというのがあって、家でずっと「はい」の練習をブツブツ言っていました。(馬ぞりのシーンについて)僕もあそこまでガッツリとアクションをやるのは初めてでした。山﨑さんが数多くアクションをやられているので、おんぶにだっこというか、頼り切ってしまった部分もありました。

栁俊太郎

二階堂浩平/洋平の二役を一人で演じました。僕も原作を読んでいたので、インパクトの強いイカれた兄弟を演じられることを幸せに思いました。(一人二役について)まず、「どうやって双子の(同時)芝居をすれば良いんだ?」からして疑問でした。ボディダブル(代役)の方が、僕の動きを覚えてくれて、自分が浩平をやっている時には洋平を演じてくれました。そういう感じで撮影をしていたんですが、自分もこんがらがりましたしスタッフさんも「次どっち?」とわからなくなることがありました。(アクションシーンは)自分は型というより、キャラクター的にも変わった動きをしようと思っていたので、自由に動いていました。あとは山﨑さんが受け止めてくれたので、ケガがないようにだけ気をつけていました。

©野田サトル/集英社 ©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
大谷亮平

(本作で)アクションはあまりなかったんですが、マタギ出身ということで、雪山を難なく走ったり歩いたりできる身体を作らないといけなかったので足腰だけは鍛えました。キャラクターの中では、すごく真面目で誠実な男なのですが、あんまり僕はそっちのタイプじゃないので、誠実に見えるようにそこは大事に演じました。
先日、完成した本作を観ましたが、アクションが本当にすごかったです。たぶん、ここにいる皆さんの中では僕だけアクションシーン少なかったんですが、本作を観ながら内心ホッとするくらい、観応えのある素晴らしいアクションが多かったです。

玉木宏

僕も原作が大好きだったのですが、まさか自分が鶴見中尉を演じるとは思っていなかったです。イメージは原作を読んでいて分かっていたのですが、実写で演じる上では、杉元や周りを脅かす存在でなければいけない、「怖さ」が必要だけど、一方で、どこか愛嬌みたいなのもなければ部下がついてこないし、先の読めない得体の知れない存在感を目指してやりましたね。「何かやらかすぞ」という感じじゃなく、いきなり何かをやってしまうような怖さのさじ加減が難しかったです。

映画『ゴールデンカムイ』(東宝 配給)2024年1月19日[金]より全国公開
©野田サトル/集英社 ©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

映画『ゴールデンカムイ』予告編


©野田サトル/集英社 ©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

映画『ゴールデンカムイ』あらすじ・作品データ

舞台は気高き北の大地・北海道。時代は、激動の明治末期。日露戦争においてもっとも過酷な戦場となった二〇三高地をはじめ、その鬼神のごとき戦いぶりに「不死身の杉元」と異名を付けられた日露戦争の英雄・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、北海道で砂金採りに明け暮れていた。
そこで杉元は、アイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った男「のっぺら坊」は、捕まる直前に金塊をとある場所に隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の身体に彫り、彼らを脱獄させた。囚人の刺青は24人全員で一つの暗号になるという。(2024年日本映画/128分)

出演:山﨑賢人
   山田杏奈 眞栄田郷敦 工藤阿須加 栁俊太郎 泉澤祐希 / 矢本悠馬
   大谷亮平  勝矢 / 高畑充希
   木場勝己 大方斐紗子 秋辺デボ マキタスポーツ
   玉木宏・舘ひろし

原作:野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:久保茂昭
脚本:黒岩 勉
音楽:やまだ豊
主題歌:ACIDMAN「輝けるもの」(ユニバーサル ミュージック)
アイヌ監修:中川裕 秋辺デボ
製作幹事:WOWOW・集英社
制作プロダクション:CREDEUS

映画『ゴールデンカムイ』公式サイト
公式SNS Twitter | Instagram | facebook
「映画 ゴールデンカムイ ビジュアルブック 単行本」をAmazonで購入する
山﨑賢人「百人隊の隊長になりました信です!」

モバイルバージョンを終了