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小栗旬×松坂桃李『フロントライン』初共演を語る

小栗旬×松坂桃李『フロントライン』初共演を語る

映画『フロントライン』で初共演の小栗旬と松坂桃李が、お互いの印象について語った。

映画『フロントライン』より
©2025「フロントライン」製作委員会

2019年12月に中国の湖北省武漢市で初めて発生が確認され、2020年に入ってから世界的流行(パンデミック)を引き起こした新型コロナウイルス。過去に未知のウイルスの脅威や感染拡大を描いたパニック映画やサスペンス映画は国内外にいくつか存在したが、本作は世界規模で人類が経験した新型コロナウイルスを事実に基づく物語として、オリジナル脚本で映画化した日本で初めての作品である。

映画『フロントライン』の企画、脚本、プロデュースを務めたのは、ドラマ「白い巨塔」(2003-2004)、「救命病棟24時」(2005)、「Dr.コトー診療所2006」(2006)、「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」(2008/2010/2017)、映画『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(2018)で、医療現場の最前線にある人間ドラマをエンターテイメントに昇華させてきた増本淳プロデューサー。2023年には東日本大震災による福島第一原発事故を政府、電力会社、原発所内のそれぞれの視点から描いて話題になったNetflixドラマ「THE DAYS」で企画、脚本、プロデュースを務めた。本作に挑むにあたり自身による300ページを超える取材メモから今まで知られることのなかった船内の複数のエピソードを丁寧に脚本にまとめ上げた。企画のきっかけは「クルーズ船に乗船した医師との会話」だったと振り返り、さらに「その医師が語ってくれた船内の実態は、世の中に知られていないことばかりで、驚くべきことや涙なくしては聞くことのできないエピソードの連続でした」と語った。情報解禁にあたり「この知られざる愛と勇気の物語を一人でも多くの人に共有してもらいたい」と本作を手掛けた想いをコメント。

監督は広告業界でキャリアをスタートさせ、Cannes Lions(カンヌ国際広告祭)でグランプリを受賞、映画『生きてるだけで、愛。』(2018)で劇場長編映画デビューし、二作目となる『かくしごと』(2024)が第49回報知映画賞で最多ノミネートされた関根光才監督。本作に参加した理由を「稀有で、挑戦的で、私たち皆が共有すべき作品になる。この作品に参加できるなら、それはフィルムメーカーとしての重要な責務だとも感じた」と自身の強い思いと覚悟を語った。

物語の舞台は、2020年2月3日に横浜港に入港し、その後日本で初となる新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗客乗員は世界56か国の3,711名。横浜入港後の健康診断と有症状者の検体採取により10人の感染者が確認されたことで、日本が初めて治療法不明の未知のウイルスに直面することとなった。

当時、日本に大規模なウイルス対応を専門とする機関は存在せず、急きょ対応することになったのは災害医療を専門とする医療ボランティア的組織のDMAT(ディーマット)。DMATとは、災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team)を略した、医師、看護師、医療事務職で構成され、大規模災害や事故などの現場におおむね48時間以内から活動できる専門的な訓練を受けた医療チーム。地震や洪水などの災害対応のスペシャリストではあるが、未知のウイルスに対応できる経験や訓練はされていない、目の前の「命」を救うことを最優先にした医師や看護師たちだった。

未知のウイルスに立ち向かうDMATの指揮官・結城英晴(ゆうき ひではる)を演じた小栗は、本作出演を決めた理由を「当時自分が知らなかった(新型コロナウイルスと)戦った人たちがいるという物語に非常に引き込まれましたし、映画として作るべきものだなと感じた」とコメント。現場を終えた直後には「日常を取り戻したこの状況の中で、忘れてはいけないかなり大きな出来事だなと思うし、それを映画として届けられるという事は僕たちにとっても挑戦的だった」と本作が意味する“チャレンジ”についても触れた。完成した本編を鑑賞し「すごく力のある映画でした。全員が主役の映画になっており、参加できたことを誇りに思います」と本作への自信をコメントし、「今回共演した方々は元々リスペクトのある俳優さんばかりなので僕からしたらこんな幸せな場所はない」と現場を振り返った。

小栗演じる結城と対策本部でぶつかり合うこととなる厚生労働省から派遣された役人・立松信貴(たてまつ のぶたか)を演じた松坂は、「映像化して形に残すという事に参加する意義があるなと思い、お話をいただいた時に是非やらせてください、という思いがあった」と当時の率直な思いを振り返った。初共演だった小栗については「一人一人に対して真摯にコミュニケーションを取っていらっしゃるし、現場での立ち姿も含めて、小栗さん全体が作品を包み込もうとする、そういう温かさを持った方。それがすごく(小栗演じる)結城とリンクする部分がある」と小栗が演じる主人公に重ねて見ていたことを明かした。本編鑑賞後には「観た方の中に記憶として残り、この映画を心の中で持ち続けられるような作品になってほしいです」と改めて本作に込めた想いを語った。

2020年、DMAT指揮官であり救急医の結城(小栗旬)は神奈川県庁からの突然の電話で、横浜港に停泊中の豪華客船から新型コロナウイルスの陽性患者が出たことを説明され、本来災害医療対応の組織であるはずのDMATへの出動要請を受けた。翌日、県庁の対策本部で指揮を執ることとなった結城と、厚生労働省の役人・立松(松坂桃李)が顔を合わせる。小栗旬と松坂桃李、お互いの印象を明かす。

議論が交わされる中、立松は結城に向かって「DMATの方たちに船に乗り込んでいただけませんか?」と冷静に言い放つ。立松からの要求に結城は、「約束が違いますよ!未知のウイルスが蔓延している船の中に隊員を行かせるなんてできません」と声を荒らげ反発する―。本作で初共演となった小栗と松坂。お互いの印象について小栗は「このままのお人ですけどね。優しい人です。とっても」と、松坂は「本音で話したくなるような、そういう気にさせる不思議な方だなと思って。武装というか、鎧を解いてしまう不思議な方でした(笑)」と話す。

初共演の松坂については「桃李くんは一緒の現場にいてくれる安心感が強かった」と延べ、結城と立松が初めて対峙するシーンの撮影を振り返り、小栗は「融通がきかなくて、超嫌なヤツそうだなと思いました。鉄仮面のような感じで桃李くんが演じてくれたので、立松のことはすごく苦手という意識からスタートできた」と松坂が演じた立松について笑いながら語り、松坂は「官僚って批判はされるが賞賛されない存在。今回の出来事に対して、官僚としての向き合い方をちゃんと表現したかった。立松的にも別ジャンルの人(結城)と出会う瞬間は、この作品においては重要なファーストインパクトだったので大事に演じた」と臨場感あふれる初対面シーンの裏側を明かしている。

映画『フロントライン』(ワーナー・ブラザース映画 配給)は2025年6月13日[金]より全国公開
©2025「フロントライン」製作委員会

映画『フロントライン』あらすじ・作品データ

2020年2月3日に横浜港に入港し、その後日本で初となる新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船ダイヤモンド・プリンセス。乗客乗員は世界56か国の3,711名。横浜入港後の健康診断と有症状者の検体採取により10人の感染者が確認されたことで、日本が初めて治療法不明の未知のウイルスに直面することとなった。この状況下で最前線に駆けつけたのは、家族を残し、安全な日常を捨てて「命」を救うことを最優先にした医師や看護師たちだった(2025年/日本映画/130分)
企画・脚本・プロデュース:増本淳
監督:関根光才
出演者:小栗旬
松坂桃李 池松壮亮
森七菜 桜井ユキ
美村里江 吹越満 光石研 滝藤賢一
窪塚洋介

映画『フロントライン』予告編


©2025「フロントライン」製作委員会

映画『フロントライン』公式サイト
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