川村元気監督『百花』最優秀監督賞受賞!

川村元気監督『百花』最優秀監督賞受賞!

第70回サンセバスチャン国際映画祭のコンペティションとなるオフィシャルセレクション部門に選出された菅田将暉&原田美枝子W主演の川村元気監督作『百花』が、最優秀監督賞シルバー・シェル賞を受賞した。日本人監督が、同賞を受賞するのは初めて。

左から川村元気監督、長澤まさみ、菅田将暉、原田美枝子、永瀬正敏

映画『百花』は、映画プロデューサー・脚本家として『告白』『悪人』『モテキ』『君の名は。』を送り出してきた川村元気が、川村監督自身の体験から誕生した、記憶と愛の物語。40作品目に当たり、初めて長編映画の監督を務めた作品。

公開初日となる9月9日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催された初日舞台挨拶には、菅田将暉、原田美枝子、長澤まさみ、永瀬正敏、川村元気監督が登壇した。川村監督は、「この作品が四〇本目になります。自分でも結構作ってきたなと思うんですけど、いろいろな方から「自分で作るとストイックなものを作るんだね」と言われています。自分のおばあちゃんが認知症になって、記憶を失っていくというよりは、いろいろなことを思いだしていくということで、まさに百花繚乱。子どもの頃に好きだったお菓子のこと、好きだった男性のこと、そういったことを思いだして、余計なモノは落ちて、大切なものだけが残る様を見ていて「百花」というタイトルをつけたところもあります。おばあちゃんは、亡くなりましたけど、今日のこの劇場の様子を見ても、お墓に報告に行けるなと思いました」とコメント。

菅田将暉、映画『百花』初日舞台あいさつ

劇中の見せ場の一つである諏訪湖での打ち上げ花火のシーンについて振り返った。永瀬は、「台本を読ませてもらった時に、CGではなくて実際の花火でワンシーンワンカットをやられると書かれていたので、「無理でしょう」とずっと思っていました。それが、見事にシーンが成立していました」と話すこのシーン。

川村監督は「花火の打ち上げは、予算の関係で三回まで! でした。実は、あのときの撮影の裏側では怒号が飛び交っていました。花火師が、火をつけると30秒で点火して、そこから打ち上がるので、そのタイミングとお芝居を合わせないといけなくて……。実は、そんなふうにすごく計算されていますけど、そうは見えないですよね? お二人のお芝居(菅田と原田)が自然でしたから」

原田美枝子、映画『百花』初日舞台あいさつ

菅田が「直前まで『この台詞までは3秒に一回、この台詞からは4秒に一回」』と告げられましたけど、結局僕らは本番でそんなことを考えられないから……。」と話せば、原田は「それでも菅田さんとの湖での花火のシーンは、すごい体験でした。お芝居も濃かったですし、目の前で打ち上がる花火を前にというのを、皆さんが用意してくださいました。映る側だけでなく、スタッフも、そのワンカットに賭けて働いてくれました。皆さんの思いも含めて、一つの映像になっていくのだとつくづく感じました」と語る。

川村監督、長澤まさみ、菅田将暉

長澤が印象に残ったのは、出産シーンだという。「現場でも、その感覚がいまいちつかめなくて……。そしたら、場所を貸していただいた、産婦人科の助産師さんが一緒にそのシーンの段取りをしてくれて、そうしたら産めたんです!」と笑顔で話す。夫役の菅田は、「あれは産んでましたね! 今でこそ笑っていますけど、あのときは号泣しましたね。あのシーンに出てくれた赤ちゃんは、撮影の4日前とか5日前に生まれた子なんです。ちょうど撮影する日に、赤ちゃんのお母さんが退院する日でした。そういうふうに撮影に協力してくださる方々のおかげで、リアリティがすごかったです」とまとめた。

菅田は「特に長澤さんとのシーンはいっぱいカットされています!」と付け加えれば、川村監督が「だって、二人ともあまりにも号泣しているから……良すぎて泣く泣くカットしました。この映画は最後の最後に勝負を持っていっている映画なので!」と阿吽の呼吸で説明した。

そして、前述の映画祭出品についてもこう述べていた。「この映画が、ヨーロッパの人にどう観られるのかとても興味があります。それに早くも、黒澤明監督の映画や、『大地の子守歌』(1976年増村保造監督)や『青春の殺人者』(1976年長谷川和彦監督)といった作品で原田さんのことを見知っている審査員の方やヨーロッパの方が、『あの可憐な少女が、どういうかたちで登場するのか、すごく期待している』と言われます。やっぱり原田美枝子という女優は、伝説的な人になっているのかなと感じます」と川村監督。

日本人監督の初受賞とのこと、おめでとうございます。

映画『百花』あらすじ

 レコード会社に勤務する葛西泉(菅田将暉)と、ピアノ教室を営む母・百合子(原田美枝子)。
ふたりは、過去のある「事件」をきっかけに、互いの心の溝を埋められないまま過ごしてきた。
 そんな中、突然、百合子が不可解な言葉を発するようになる。「半分の花火が見たい・・・」それは、母が息子を忘れていく日々の始まりだった。認知症と診断され、次第にピアノも弾けなくなっていく百合子。やがて、泉の妻・香織(長澤まさみ)の名前さえ分からなくなってしまう。皮肉なことに、百合子が記憶を失うたびに、泉は母との思い出を蘇らせていく。(2022年/日本映画/104分)

映画『百花』(東宝 配給)は2022年9月9日[金]より全国公開

左から川村元気監督、長澤まさみ、菅田将暉、原田美枝子、永瀬正敏

映画『百花』公式サイト
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