映画『8番出口』の88m無限ループカーペットアライバルが7月22日、東京・livedoor URBAN SPORTS PARK ブリリアランニングスタジアムにて開催され、主演の二宮和也、共演の小松菜奈、河内大和、川村元気監督が出席した。約650名が集ったイベントで、大歓声をあびた二宮は「めちゃくちゃ嬉しいです」と笑顔をみせた。
2023年リリースのインディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATE(コタケクリエイト)氏制作のゲーム「8番出口」を基にした本作は、地下鉄の改札を出たあとで、無限ループの迷宮に入り込みながらも8番出口を目指すというサバイバルを描く。主人公・迷う男(二宮)が、次々と現れる不可解な“異変”を見つけ脱出を試みるが……。さらに、ある女(小松)、スーツ姿の歩く男(河内)も登場する。
川村監督にとって『百花』に次ぐ、長編監督第二作目。脚本は、平瀬謙太朗と川村元気。第78回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション「ミッドナイト・スクリーニング部門」にてワールドプレミア上映し、世界へと羽ばたく。既にアジア、ヨーロッパなどの国と地域での上映も決定している。
この日は、本作初の日本でのイベント。二宮たち4人は、88メートルの黄色カーペットに仕掛けられている8つの不可解な“異変”を探しつつ歩むことに。小松は、「異変探しに必死でした」と述べていたが、異変はカーペット上の番号1,2,3,5,6,7,8と「4」が抜けたこと、ステージ上のパネルの公開日29日の2が左右反転していること、ムービーカメラマンが短パン姿だったこと、トイレットペーパーが積み上がっていたこと、小松のマイクフラッグ(『8番出口』と記されている部分)だけ色が反転していることなどであった。
川村監督は、本作のストーリー構想について「二宮くんを主演にできないかなと考えて、そのときに原作のゲームは物語はないけれど、異変があれば引き返し、異変がなければ先に進むもの。そこで人生の二択を抱えた主人公が、二択を繰り返すことで大きな結論が出るストーリーにできればと思ったんです」と明かす。
そして、主人公のキャスティングについて、「『ゲームの映画化は失敗するよ』と言われまして(笑)。ゲームの物語はプレイヤーにあるので、ゲームに対するリテラシーというか理解がないとダメでした。二宮くんは、主演兼テストプレイヤーと言ってくれましたけど、台本があって現場で撮影をして、撮ったものをその場で編集して、みんなで観て、その日の夜に脚本を書き直すという、まるでゲームのように作りました。その作り方を理解してくれるのは二宮くんしかいないと思うところがありました」。
二宮は「うれしいですね。監督は、最初に『みんなも心配でしょうけど、安心してください、僕も心配ですから』っておっしゃって(笑)。そうやって『監督がこれだ!』と思ってくれることが現場の我々の命題でした。(台本が決まるまで)河内さんはずっと歩き続けなくてはいけない(河内さん:笑)。でも、それも有意義というか、殺伐とすることもなくて楽しかったですね」と笑顔を見せた。
脚本協力としても参加したことに触れ、「整合性を保つために、現場で自分が言わなきゃならないことはあるだろうなって不安はあったんです。だから、最初から元気さんに『台本から関わってみたら?』と言っていただけてすっきりできたし、現場にもすんなり入れました。けれど現場でも変わっていくので……」と述懐。
続いて、ある女のキャスティングについて、川村監督は「小松さんは、『バクマン。』のオーディションが出会いでした。(それから)何本も一緒に仕事をして、信頼している女優さん。今回は、人間らしさの両極性を演じられる人が相応しいから、お手紙を書いて、なんとか出演してもらいました」。
小松は「(手紙が)嬉しかったです。本作に参加させてもらうことは、私の楽しみでもありました。でも、途中参加だったし、久しぶりの映画の現場で緊張がループしちゃって、最初の電話のシーンは声が震えちゃいました。役名がないので、役に親しめなくて、感情の方向性も途中で変わったので、最終的にどんな作品になるのだろう?と思って、未知の世界でした」と吐露。
すると、二宮が「元気さんが、『参ったなぁ、小松菜奈が緊張してるぞ!』と言ってたこと覚えてます」と続けた。小松は、「二宮さんは、いろんなところに目が付いているかのように、現場を俯瞰で見ている。人としてフラットでいてくれるので、ブレないから頼りにしていました。座長として素晴らしい存在」と絶賛。二宮は、敢えて自身の耳を小松に近づけて、笑顔を見せつつ「褒められるのは気持ちいいですねぇ!」と、照れたのか少しおどけて話した。
歩く男のキャスティングについて、川村監督は「キャスティングディレクターから勧められて、『こんなに(原作に)似ている人がいるんだ!』と思いました。でも、本作ではただ似ているだけだとダメで、歩く男のお芝居は9割が歩くこと。河内さんは、シェイクスピアの舞台などで歩くトレーニングをされてきた方なので、機械のように正確に何回も歩けるので決めました。人間が機会やCGのような動きをしたときに感じる不気味さをだしたかったので、それを完璧にやっていただきました。カンヌ国際映画祭では、『あれはCGなのか?』とたくさん聞かれました」と大絶賛し、嬉しそうに振り返った。
二宮は、「現場でテストしてみて、奥から河内さんが歩いて出てきたら、スタッフ全員が『うわー!』ってどよめいて。それぐらい似てましたね!」と付け足した。河内は、「これで本当に合ってるのかな?とめちゃくちゃ緊張してたのですが、あれは本当にうれしかったですね。舞台やってきて良かったなと思いました」と満面の笑みを見せていた。
最後に、二宮が「今年の夏を『8番出口』と一緒に過ごしていただければと思います!」と呼びかけた。
映画『8番出口』(東宝 配給)は2025年8月29日[金]より全国公開
©2025 映画『8番出口』製作委員会
©2025 映画『8番出口』製作委員会
映画『8番出口』あらすじ・作品データ
異変を見逃さないこと。
異変を見つけたら、すぐに引き返すこと。
異変が見つからなかったら、引き返さないこと。
8番出口から、外に出ること。
(英題 Exit 8 /2025年/日本映画/95分)
映画『8番出口』予告編
映画『8番出口』公式サイトhttps://exit8-movie.toho.co.jp/
公式SNS X(旧Twitter )@exit8_movie| Instagram @exit8_movie| TikTok @exit8_movie
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川村元気監督『百花』最優秀監督賞受賞!

