トム・クルーズ来日!『DIGGER/ディガー』を語り尽くす
トム・クルーズが、主演・プロデューサーを務める映画『DIGGER/ディガー』(原題 DIGGER )プロモーションのため、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督と共に来日し、記者会見に出席。多くの質問に答える形で、最新作を語り尽くした!
トム・クルーズは、今回が通算26回目の来日、監督は3度目の来日となる(数字は映画などプロモーションの公式来日であり、プライベートは含まず)。ロンドン・メキシコシティ・ロサンゼルス・ソウル・日本の5大都市を巡るワールドツアーの最終地として日本が選ばれ、この会見の翌日にはジャパンプレミアも開催され、東京でグランドフィナーレを飾ることとなった。
映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年)及び『レヴェナント: 蘇えりし者』(2015年)でアカデミー賞最優秀監督賞を2年連続受賞した監督が、「複雑なテーマゆえ、完成まで9年かかった」と吐露する本作。俳優人生45年のトム・クルーズが、これまでのイメージを脱ぎ捨てて挑んでおり、彼自身が「この役を演じられるようになるまで40年かかった」と語る前代未聞の役どころだ。
(日本語で)こんにちは!
アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督とともに、ここに来られたことを本当に光栄に思っています。温かい歓迎をありがとうございます。(トムは監督のことを「アレハンドロ」と呼んでいました)
映画監督として心から尊敬する監督であり、26年前、彼の最初の映画『アモーレス・ペロス』を観たときから、いつか一緒に仕事をしたいと思っていました。監督の作品は必ず観ます。公開前に観ることもあります。映画を観るとその監督の魂を感じることがあります。彼の映画にはそういうものがあります。だからこそ撮影中も彼の映画監督としての感性、人としの感性、を感じました。彼が何を発見し、何を作ろうとしているのか。それを観られる毎日が楽しかったです。すべてが美しかった。幸いなことに、映画界の偉大な監督たちと仕事をしてきました。アレハンドロもその一人です。本当に素晴らしい経験でした。
監督は、この映画に9年間携わり、私は2018年から作品に関わる機会をもらいました。この映画をつくることができて光栄ですし、また最高のキャストやスタッフらたちとともに、そして最も独創的な作品を生み出す監督と、自分も一緒に映画を創り上げることができて光栄に思います。この映画を作っている時から、監督と一緒に、このようにみなさまと共有できることを夢見ていました。
(監督からのオファーを受けて)まず脚本を読んで、監督に「どうやってこんなことを思いついたのか?」と聞きました。仕事をする時にはまず脚本を読んで、役柄の見た目から、監督が達成したいことのすべてを理解します。そして、“自分がどのように貢献できるか?”というところを見出していきます。
アレハンドの演出は素晴らしいです。『DIGGER/ディガー』の一つ一つの要素は、細部まですべて考え抜かれて手作業で作られています。撮影現場でみなで立ち止まり、その瞬間を味わうこともありました。俳優として、アレハンドロが作り出す、その空間を余すことなく楽しみたかったからです。
ユーモアやドラマで何が役立つのか考える中で、アクセントも生まれました。演じたのは、何層もあるキャラクターです。「初めてあの姿になった時、(メイクルームに監督も)一緒にいたよね、覚えている?」(と語りかけながら)、「一緒に鏡に映った姿を見て、とても楽しかったです。待ちきれなくて、“これはすごく楽しくなる!”と思いました。このメイクはドラマチック過ぎる、コミカル過ぎるなど試行錯誤しました。色々な動きをリハーサルでしてみて、役者として、自分の体と声を理解しなくてはいけません。鏡を見ながら、どうすればコミカルなのか、どう動けばドラマチックなのか……とても楽しい作業でした。
(見せ場の一つである10分間のモノローグについて)ワンショットで、ワンテイクで撮りました。最も長く、それだけではなく肉体的にも動きも多くて、とても楽しい経験でした。唯一の問題は、4回やって、「もう一度やりたい」と言ったら、監督に止められたことです。自分はもう一度やりたくても、監督が「これでいい」と。「これでいいの?」と聞いても、「これでいいんだ」と言われてしまったことです。
長い台詞を覚えるのは実は簡単で、ただ暗記するだけ。私たちがやっているのは、(暗記の先にある演技であり)コミュニケーション。監督が指揮者で、役者はジャズの演奏をしているのような形で作り上げていきます。何を伝えているのかというのをともに探求しているのです。
『DIGGER/ディガー』を観ると、時間と空間を使って、どのように構成されているかが分かると思います。だからこそ、この映画の構造は、今まで観たことがないものになっています。音楽スコアにしても、本当に細部までこだわっていて、冒頭は、動物や鳥の鳴き声が使われており、映像は、大きなスクリーンで観ると3Dのように奥行を感じるられると思います。
自分は観客の皆さんのために映画を作っています。この作品が時間を超えて生き続けて、人間性や時代を映し出すことを願っています。この時代に、こういう映画を作ることができたこと、それに自分が出演できたこと、本当に特別なことだと思います。
【編集部のつぶやき】
本作のネタバレは書けませんが、実は映画の冒頭にヒントがあります!
本作のトムが唯一無二であること。このキャラクターをトムに演じてもらいたいと考えた監督の意図もよくわかりました。
皆さん、こんにちは。今トムとともにここに立てていることが夢のようです。日本は、いつも来るたびに喜びと幸せを感じる場所です。東京国際映画祭では、初監督作『アモーレス・ペロス』(2000年)で東京グランプリ&最優秀監督賞、2022年の東京国際映画祭 黒澤明賞を受賞しました。20年前の10月には、菊地凛子さんと一緒に『バベル』の撮影をし、5か月間、日本に滞在しました。それは、監督人生の中で最も美しい思い出です。そして最終的に、私はアカデミー賞をいただきました。いつも愛と楽しい思い出をもらえるのが東京です。
トムが語ったように、世界トップのキャスト、スタッフ、プロデューサー、そしてこの作品にかけてくれたスタジオとともに作ることができた作品を、携えてやって来ることができたことを大変光栄に思います
9年前、本作の企画の話が始まりました。当時、現実から距離感を感じていました。語られていることの方が現実のように感じてしまうような感覚がありました。そして、それぞれにとってのリアリティも変わってしまう。そして、他のものに語られるリアリティを信じてしまったり。なので、最初のタイトルは「Blah blah blah(ブラブラブラ:なんとかかんとか)」でした。これは特に内容のないおしゃべりの擬音で、誰かがストーリーを語ることによってものの見方が変わってしまう。言語というものが人にインスピレーションを与え、そして、現実への架け橋ともなることもできますが、現実というものの見え方を壊すこともできる。それがディガーの一番得意とするものです。この前提があって、ストーリーを作り始めました。そして9年かけて完成しましたが、それだけ複雑な題材だったから、そして、それには強いキャラクターが必要だったからです。
トムは本当に懐が深いです。撮影の数か月前からたくさんリハーサルをしました。セットも緻密に丁寧に作り上げたものです。すべてのフレームに意味がりますし、偶然そこにあるものは何もありません。フレームにしても部屋にしても、その一つ一つがなぜそうなのかキャラクターを説明しています。トムは、ファット(ボディ)スーツを着てのリハーサルを提案してきました。準備に6時間かかるので、そうすると「リハーサルの時間が減るよ」と言いましたけど、彼にはそれが必要だったのです。どのように話して、どのように歩いて、どのように感じるのか。服装が違うことで感覚も変わるからです。彼はキャラクターの身体や声を理解する必要があったんです。なので我々は、毎日トムではなくディガーを見ている監督になっていきました。それでも時にはスケジュールの都合で、トムの姿のままの時があり、そうなると、みんな「トムが現場にいる!?」と驚いていました。
(『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『レヴェナント:蘇えりし者』でもタッグを組んだ撮影監督の)エマニュエル・ルベツキの撮影にしても、照明もマニアックです。映画の「トーン」を見つけようとしたのです。なぜなら風刺はとても難しいからです。コメディすぎるとシットコムになってしまって、楽しいかもしれないがそれはこの映画ではありません。一方で、リアルすぎるとユーモアが失われるかもしれず、非常に微妙なラインが求められます。
本作は、腕利きの役者が揃っているので、お互いの信頼が必要でした。現場の雰囲気をトムが背負っている、トムが決めていると言っても過言ではありませんでしたが、トムはトム自身もよく笑い、周りを笑顔にし、まるで人生のオリーブオイルのようでした。彼が一番プレッシャーを感じていてもおかしくないのに、人によってはストレスを抱えてしまってその辛さが周りに伝わってしまうこともあるのに、彼はそうではありませんした。
【オフレコ】
(記者が何度もトムがハンサムだと述べたことから)「彼がハンサム過ぎるから罰を与えて、ハンサムでなくしてやったのさ!」と微笑みながら話すと、その話術にトムが吹き出して笑い出す一幕もありました。
映画『DIGGER/ディガー』あらすじ
石油採掘会社のCEO、その名もディガー・ロックウェル。彼の利益にしか目がない欲深い行動がきっかけで、“地球滅亡の大ピンチ”に!?ディガーは、大統領(ジョン・グッドマン)からその尻ぬぐいを命じられ、世界を救うべく立ち上がるが……。果たして、彼は地球を救えるのか?そもそもこの男、信用していいのか? (2026年/アメリカ映画/129分)
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
出演:トム・クルーズ、リズ・アーメッド、ジョン・グッドマン、ザンドラ・ヒュラー、ジェシー・プレモンス、マイケル・スタールバーグ
製作:トム・クルーズ、アレハンドロ・G・イニャリトゥ
全米公開:2026年10月2日
映画『DIGGER/ディガー』(東和ピクチャーズ・東宝 配給)は2026年10月9日[金]より全国公開
©2026 WBEI and Legendary
映画『DIGGER/ディガー』公式サイトhttps://digger-movie.jp/
公式SNS X(旧Twitter )@warnerjp| Instagram @warnerjp_official| TikTok @warnerjp
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