金曜日, 12月 06, 2019

映画『サウルの息子』強制収容所の悲劇の部隊ゾンダーコマンドの奔走を描く

© 2015 Laokoon Filmgroup

映画『サウルの息子』(ネメシュ・ラースロー監督)
© 2015 Laokoon Filmgroup
第73回ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞受賞作。名匠タル・ベーラの助監督をしていた38歳のハンガリー出身のネメシュ・ラースローは、カンヌ国際映画祭のコンペ部門で、ある無名の新人監督が、長編デビューにして見事カンヌのグランプリを獲得するという異例の快挙を成し遂げた。本作では今まで歴史の闇に葬られてきた強制収容所の悲劇の部隊‘ゾンダーコマンド’にスポットを当てている。

ゾンダーコマンドとは収容者の中から選抜された特殊部隊のことで彼らの主な仕事は強制収容所に送られてきた同胞達の衣服を脱がせ、ガス室へと誘導するなどの‘死への案内’であった。同胞を欺かなければならない罪の意識は、彼らの精神を蝕み、数か月生きながらえた後、彼ら自身も口止めに皆殺されていく。

映画『サウルの息子』あらすじ

1944年10月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。サウルは、ハンガリー系のユダヤ人で、ゾンダーコマンドとして働いている。ゾンダーコマンドとは、ナチスが選抜した、同胞であるユダヤ人の死体処理に従事する特殊部隊のことである。彼らはそこで生き延びるためには、人間としての感情を押し殺すしか術が無い。ある日、サウルはガス室で生き残った息子とおぼしき少年を発見する。少年はすぐさま殺されてしまうのだが、サウルはなんとかラビ(ユダヤ教の聖職者)を捜し出し、ユダヤ教の教義にのっとって手厚く埋葬してやろうと収容所内を奔走する。アウシュヴィッツという追悼の祈りすら捧げられない地獄の中で果たして彼の望みは叶えられるのだろうかー? また、ある計画が収容所で秘密裏にすすめられていた。

ネメシュ・ラースロー監督
「本作のアイデアは、強制収容所のゾンダーコマンドの元メンバーが書いたテキストを集めた書籍を読んだことから始まりました。そこからたくさんの調査をしました。また、私の親族がアウシュヴィッツで殺されていることも、本作のメガホンをとった理由の一つです」

[amazonjs asin="B01FS30KYY" locale="JP" tmpl="Small" title="サウルの息子 Blu-ray"] [スタッフ]
監督・脚本=ネメシュ・ラースロー
  共同脚本=クララ・ロワイエ

[キャスト]
サウル=ルーリグ・ゲーザ
アブラハム=モルナール・レヴェンテ、ユルス・レチン

ハンガリー映画/107分
原題=Saul Fia 英題=Son of Saul (2015)IMDb
日本公開=2016年1月23日
配給=ファインフィルムズ
公式サイト http://finefilms.co.jp/saul