残されし大地(原題 La Terre Abandonnée ) – 映画予告編

©CVB / WIP /TAKE FIVE - 2016 - Tous droits reserves

2011年3月11日福島原子力発電所の事故のあと、福島第一原発から約12キロに位置する富岡町は帰還困難区域として指定された。そこにひとり留まり、猫、犬、牛、かつて第一原発で飼育されていたダチョウ等の動物保護活動を続ける松村直登の存在からこの映画は始まった。監督のジル・ローランは、ベルギーを拠点に主に欧州で活躍するサウンドエンジニアだった。妻の母国である日本に2013年に家族と共に来日。元々環境問題にも興味があった事から、“福島”について調べる中で、海外メディアで紹介されていた富岡町の松村直登さんの存在を知り、自らメガホンを取る事を決意。そして選んだ題材が“土地と寄り添いながら生きる人たちの力強さ“だった。3組の家族に寄り添う事で、日常としての福島、そして故郷を愛する思いを紡ぎ出す。
本作は2015年8月から10月にかけて、福島県において2回に渡り撮影された。パリ同時テロ後の12月、編集作業のためにジル監督は祖国ベルギー・ブリュッセルに一時帰国。編集作業が一通り終わり、内覧試写をする予定だった2016年3月22日、ベルギー地下鉄テロで命を落とすという思いがけない事件が起こる。 (原題 La Terre Abandonnée )

残されし大地(原題 La Terre Abandonnée )ジル・ローラン監督
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福島第一原発から約12キロ離れた、福島県双葉郡富岡町。18番ゲートがある夜の森は、かつては桜の名所として賑わっていた場所だ。いまはゲート内の商店街に人影はなく、開け放されたままの窓からカーテンが外にたなびき、植物が建物に絡みついている。3.11以後、町に残された動物を保護し育てる為、自分の故郷・富岡町に残る事を決めた松村直登。寡黙な父とふたり、いまも避難指示解除準備区域の自宅に留まっている。その活動は海外からも注目され、2014年にはフランスに招かれ講演も行った。(2016年/ベルギー映画/カラー/DCP/5.1ch/76分)
監督 ジル・ローラン プロデューサー シリル・ビバス|出演 松村直登ほか

映画『残されし大地』(太秦 配給)は2017年3月11日[土]よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
映画『残されし大地』公式サイト

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