映画『ライチ☆光クラブ』美少年たちの残酷で多感な思春期を描く

©2016『ライチ☆光クラブ』製作委員会

映画『ライチ☆光クラブ』(内藤瑛亮監督)
©2016『ライチ☆光クラブ』製作委員会

古屋兎丸著のロングセラーコミック「ライチ☆光クラブ」が満を持しての映画化。成長を否定した14歳の美しい少年たちの愛憎の物語と、少女と機械(ロボット)の純愛を描いたダークファンタジー。黒い煙と油にまみれた町・螢光町で、廃工場の秘密基地に集う「光クラブ」を結成した少年たちの大人になる前の様を綴る青春残酷劇。主題歌はPENICILLINのHAKUEIによる音楽ユニット「ライチ☆光クラブ」による「メルヘン☆ジャック」。

中条あやみ&間宮祥太朗、初の国際映画祭参加は壮絶な1日に

穢れた大人のいない自分たちだけの世界を作ろうとした9人の少年たち。最強のロボットと永遠の美の象徴として一人の美少女カノン(中条あやみ)を手に入れるが、「永遠に少年のまま、永遠に美しいまま、僕らの世界が終わる」という言葉が示唆する通り、絶望の中で夢見た少年たちだけの理想の世界が破滅へと向かっていく。

映画『ライチ☆光クラブ』あらすじ

工場から黒い煙が立ちのぼり、油にまみれた町、螢光町。この貧しい地の廃墟へ、深夜に集まる9人の中学生がいた。この秘密基地の名は「光クラブ」。強いカリスマ性と天才的頭脳を持つゼラが、他の8人を感化し従えている。学生服を着こんだ光クラブのメンバーは、敬礼やドイツ語を重要な符牒とし、ゼラが作り上げた規律を重視していた。彼らは今夜、この秘密基地を覗いてしまった女を捉えた。拘束された女はゼラに「きみ、常川君でしょ?!」と呼びかける。彼らが通う螢光中の先生だったのだ。女教師に向かい、ゼラは「ここにおいて我はゼラと規定される」と宣言する。他の少年たちもこの光クラブにおいては、ニコ、雷蔵、カネダ、デンタク、ダフ、タミヤ、ヤコブ、ジャイボという通称で呼び合っていた。

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映画『ライチ☆光クラブ』キーワード解説

  • ライチの実 = 美の象徴である楊貴妃が好んだ果物、機械(ロボット)ライチの燃料
  • チェス = タミヤとゼラの関係性のほか、光クラブの状態を暗示する。
  • 釘ガン/ネイルガン(原作では、ぱちんこ)- 少年世界での唯一の武器
  • 星(ゼラの手袋) = 五芒星、魔術の記号、悪魔の象徴 
  • 神様(ゼラに語りかけるクリーチャー)=ゼラの肥大した自我の塊が表象したもの
  • 内臓 = 人間の醜さの象徴
  • 少女 = 穢れのないものの象徴。思春期の少年たちの憧れ、欲望。
  • 666 = ライチの起動ナンバー、悪魔の数列、新約聖書などから由来 ex 『オーメン』
  • 甘美なる機械(ロボット)ライチ = 大人に抗うために少年たちが創造した兵器、最強の力
  • 薔薇(の処刑)= 14歳で皇帝になったエラガバルスの模倣。美を貫いた見本
  • 便器 = 史実にあるローマ皇帝エラガバルスの死亡説に由来する

映画『ライチ☆光クラブ』フォトギャラリー

[スタッフ]
監督=内藤瑛亮
脚本=冨永圭祐、内藤瑛亮
原作=古屋兎丸「ライチ☆光クラブ」(太田出版)
[キャスト]
野村周平 古川雄輝 中条あやみ 間宮祥太朗
池田純矢 松田 凌 戸塚純貴 柾木玲弥 藤原季節 岡山天音/杉田智和(CVライチ)

R+15
映画/114分
英題=Lychee Light Club (2016)IMDb
日本公開=2016年2月13日
配給=日活
公式サイト http://litchi-movie.com/

映画『ライチ☆光クラブ』日本版ポスター

映画『ライチ☆光クラブ』日本版ポスター ©2016『ライチ☆光クラブ』製作委員会