マーティン・スコセッシ監督

マーティン・スコセッシ監督が来日「3Dのタブーに挑んだ」

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[シネママニエラ]本年度アカデミー賞で最多11部門にノミネートされた映画『ヒューゴの不思議な発明』。2月16日、ザ・リッツカールトン東京で行われた来日記者会見にマーティン・スコセッシ監督が出席し、同作は「一度でいいから娘のために作品を作って」と愛妻から言われたことがきっかけで製作されたことや、キャリア初の3D撮影について「タブーに挑んだ」ことを明かした。

マーティン・スコセッシ監督が来日「3Dのタブーに挑んだ」
マーティン・スコセッシ監督

同作はブライアン・セルズニックのベストセラー小説を基に、少年ヒューゴが父親の遺した機械人形に隠された秘密にせまる様を描く3Dファンタジー。

スコセッシ監督は「今まで自分が作ってきたものとは異なるもので、特別パーソナルな作品」だと述べ、その背景として人生の遅い時期に娘(現在12歳)が生まれ、「妻に『一度でいいから娘のために作品を作って』と言われた」ことがきっかけとなり、映像化に着手したという。近年は、映画『ディパーテッド』『シャッター アイランド』といった作風が多かったが、本作は幅広い年齢層に向けられている。そのことからもスコセッシ監督は「ものづくりの基本に立ち返ることができた作品」なのだという。

ちなみに、スコセッシ監督の子ども時代(1947年から1952年頃)は、父親とビリー・ワイルダー監督やジョージ・スティーヴンス監督の作品を映画館で鑑賞していたそうだ。また、3Dについても「奥行きが感じられる立体感を重要視した」と言い、「役者を手前に配置することで、(観客の)手が届きそうな画になること。デザイン段階から携わり、3Dフォーマットにおけるタブーにも挑みました」とも。それにより「駅舎や雪や埃が舞うシーンなども、スノードームのような世界として反映されたと思います」と胸を張った。

そして、現代における映画製作における制約は特に感じておらず、映画の創生期において様々な技術を開発したジョルジュ・メリエスの技術が、現代でも生きていることの素晴らしさや芸術における検閲問題等にも言及。その発言は決して声高なものではなく謙虚だった。そして「自分は題材に個人的なコネクションが感じられないと撮れないタイプ。本物の映画監督はそういったことに捉われず、手がけられる人」だという持論を披露するなどの大物監督ならではの余裕も感じさせた。

ゲストはモデルで女優の小雪。映画『ラストサムライ』でハリウッド映画デビュー済み。作品を鑑賞して「一言で感想を言うのが陳腐な感じがします。ストーリー、脚本、美術、衣装、音楽、すべてにおいて完璧でしたし、(2時間超という)長さも感じさせず、夢のような時間を過ごしました」などと語った。するとスコセッシ監督は満面の笑みになり、日本語で「アリガト!」と告げた。

#監督の左隣にキャメラを配したステージも最高でした。これまでは“早口”というイメージでしたが、幾分ゆったりと話されるようになったようです。まもなく授賞式となるアカデミー賞の行方、気になりますね。

原題=Hugo
日本公開=2012年3月1日
配給=ラマウント ピクチャーズ
©2011 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
※本作の初日は、3/1に変わりました

公式サイト http://www.hugo-movie.jp/
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