製作費110万円の日本映画『ふゆの獣』が最高賞に!/第11回東京フィルメックス

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第11回東京フィルメックス授賞式
第11回東京フィルメックス授賞式
11月28日、第11回東京フィルメックスの授賞式&閉会式が東京・有楽町朝日ホールで催されました。

最優秀作品賞には、初の長編劇映画『かざあな』が、バンクーバー映画祭ドラゴン&タイガーコンペティション部門に招待された内田伸輝監督の長編第3作『ふゆの獣』が選ばれました。

同作は、同じ職場で働きながら、それぞれに惹かれあう男女4人の若者の激烈な感情のぶつかり合いが観る者を圧倒するドラマ。審査員からの講評は「特にカメラの使い方が際立っており、俳優たちの演技も同様に素晴らしいものです。また審査員は、この作品が非常に限られた予算のなかで大きな表現力を極めていることも高く評価した」とのこと。

内田監督は「プロットのアウトラインだけ決めて、カメラも即興で動かした製作費約110万円の自作が、まさか受賞するとは!」と驚きを隠しませんでした。そのため映画祭のスタッフユニフォーム姿(=といっても、こちらは同映画祭の協賛である仏発のファッションブランド、アニエス・ベー製)。出演者とスタッフも壇上に招き、受賞の喜びを分かち合いました。

審査員特別賞のハオ・ジェ監督の受賞スピーチでは、亡父に対する言葉を発する監督の思いに同調した通訳が思わず、もらい泣きするほど感動的なものでした。観客賞の想田和弘は、ユーモアを交えたスピーチという、映画を愛するものたちによる、夢のような9日間は幕を閉じました。

結果一覧

◆最優秀作品賞
『ふゆの獣』(監督:内田伸輝)

◆審査員特別賞 コダックVISIONアワード
『独身男』(監督:ハオ・ジェ)

◆観客賞 
『Peace』(監督:想田和弘)

◆東京フィルメックス 
ネクストマスターズ最優秀企画賞
「ILO ILO」(アンソニー・チェン/シンガポール)
スペシャル・メンション
「IT MUST BE A CAMEL」(シャーロット・リム・レイ・クエン/マレーシア)

※後日、監督のQ&Aなどを別記事として掲載する予定です。

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