染谷将太と二階堂ふみ

染谷将太&二階堂ふみ マルチェロ・マストロヤンニ賞受賞も「実感ない」

ヴェネツィア国際映画祭 映画会見/イベントレポート
――被災地での撮影について、また、震災からちょうど半年の本日こういったタイミングで思うことは?

染谷:被災地での撮影は最終日でした。それまでに芝居の中で震災に触れたものもあったのですが、被災地は実際はどうなっているのだろうと思っていました。実際に行ってみたら、まずは言葉が出なかったです。スタッフもみな同じで、空っぽというか頭の中が真っ白になりました。今、撮影現場だった場所はずいぶん片付けられているそうなのですが、園さんがあのとき決意していなかったらあの絵はとれなかったし、海外の映画祭にあの風景を持っていけることもなかったんだと思います。

二階堂:私は現場に行っていないのですが、染谷くんやほかのスタッフに聞いても「どうだった?」と聞いても言葉が出てこないんですね。言葉がでてこないくらいすごいものだったのだろうなと思います。仕上がった作品をスクリーンで見るとTVでみる被災地とはまたまったく違って、私もその場所に行っていたら言葉を失っていたんだろうなと思います。今日が震災からちょうど半年で、わたしはこの賞は私たちに対してというだけではなく、震災をうけて、これから立ちあがっていく日本の若い人たちへの「がんばれ」という想いがあるのではないかなと思いました。

――この映画を同世代の日本人にどのように観てほしいですか?

染谷:ラストにはこの映画なりの希望が待っているのですが、観ていただいた方次第です。でも僕らは撮影中、すごく前向きにあのラストシーンに挑んでいました。どのようにとらえられるかは自由だと思うのですが、前向きにとらえてほしいと思っています。

二階堂:そのまんまの自分で、素直に感じ取ってほしいです。良いか悪いかではなく、とても魂のこもった作品だと思うので、観てくれた人にその魂をぶつけられたらいいなと思います。

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住田祐一(染谷将太)、15歳。願いは、「普通」な大人になる事。茶沢景子(二階堂ふみ)、15歳。夢は、愛する人と守り守られ生きること。そんなふたりの日常は、その日、ある“事件”をきっかけに一変。犯してしまった許されざる罪。自ら破滅に向かっていく住田と、彼を救おうとする茶沢。彼らの未来に、再び光は降り注ぐのか?

日本公開=2012年春
配給=ギャガ
©「ヒミズ」フィルムパートナーズ

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