映画『プレデターズ』

【溺愛×偏愛シネマ】『プレデターズ』定番な展開に陥らない面白さ

溺愛×偏愛シネマ
映画『プレデターズ』
©2010 TWENTIETH CENTURY FOX

[シネママニエラ]現在はカリフォルニア州知事である、アーノルド・シュワルツェネッガーが主演し大ヒットした『プレデター』(ジョン・マクティアナン監督、1987年)を、『シン・シティ』『プラネット・テラー in グラインドハウス』の奇才ロバート・ロドリゲスのプロデュースでリブート(再起動)させたシリーズの最新作『プレデターズ』。監督は、『モーテル』『アーマード 武装地帯 』のニムロッド・アーントル[Nimrod Antal]が務めた。

そもそもPREDATORとは、動物学用語であり、和訳では「天敵」や「捕食者」とされる。タイトルが複数形の「ズ」になったように、新作は複数のプレデターと戦うストーリーになっている。戦いの舞台を地球外の惑星(プレデターの捕食場)に変え、人類が敵地に赴くのではなく、否応なしに召集された状態で死闘を繰り広げる。その不条理さが、妙に作風にマッチしていた。

プレデターに選ばれし対戦相手は、総勢8名。傭兵、メキシコ・バハの麻薬カルテル用心棒、イスラエルの女性スナイパー、特殊部隊所属のロシア軍人、指名手配中の医師、シエラレオネの革命戦士(RUF)、殺人罪でグアンタナモ刑務所に収監の死刑囚、日本人ヤクザといった殺しを厭わない面々。彼らの戦闘知識と非情さは、プレデターとの戦いに吉とでるか。凶とでるか。そんなハラハラが始終続くものの、定番な展開に陥らない……そこが面白い。

日本人のヤクザ・ハンゾー役には、米俳優のルイ・オザワ(ニューヨーク生まれ、台湾人の父と日本人の母のハーフ)。ダウンタウンの松本人志似だな、と思っていたところ、来日インタビューでもそう書かれていたので、あぁ、私だけではなかったなと。彼が5歳で始めた、剣道の腕前(段位は弐段)も生かされた。撮影現場ではスタントマンと剣道の師の3人で、2週間かけてプレデターとの対決シーンをコーディネートしたという。

ルイ・オザワは、同作の撮影秘話として、「プレデターは2メートルぐらい身長があって怖いのですが、プレデターのスタントをしたブライアン・スティールは、実際はとても繊細な男なんです。彼とアクションをしている時に、本当に彼に刀を当ててしまって、ブライアンが「イテテ!」と言い出してしまい、僕が「ごめん!」と謝った事がありましたね。もしかしたら、DVDの特典に入るかもしれませんよ(笑)」と、語った。

本作では、進化系プレデター?と思えるような、スーパー・プレデターが大活躍。ちょっぴりスタイリッシュになったので、誰も面と向かって「ブサイク」とは言いません。彼らが3匹1チームで狩りに動くなど、生態を明かす役にローレンス・フィッシュバーンが。個人的には、もっと登場してほしかったんですけどね。

第1弾の『プレデター』を見ておくと、数々のオマージュが見てとれます。振り子の丸太、落とし穴といった仕掛け、そしてイスラエル女性兵士の告白(=その内容は、まさにアノ人を示しています)。
というわけで、『プレデターズ』は難しいことは考えることなく、まんま世界観に浸ってしまえば良い、SFアクション大作です。

映画『プレデターズ』予告編

原題=PREDATORS
日本公開=2010年7月10日
配給=20世紀フォックス映画
公式サイト http://predators.jp/
©2010 TWENTIETH CENTURY FOX

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