映画『裁かれるは善人のみ』(アンドレイ・ズビャギンツェフ監督)

ズビャギンツェフ監督『裁かれるは善人のみ』市民と行政の対立を描く

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映画『裁かれるは善人のみ』(アンドレイ・ズビャギンツェフ監督)
© 2014 Pyramide / LM
[シネママニエラ]アンドレイ・ズビャギンツェフ監督最新作『Leviathan(原題)』が10月より、邦題『裁かれるは善人のみ』として日本公開される。カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞し、アカデミー賞にもノミネートされ、世界中の映画祭を席巻した作品だ。

本作はロシア北部の荒涼とした小さな町を舞台に、そこで暮らす善なる市井の人々と、権力を振りかざして土地の買収をもくろむ行政との対立を描く。

監督デビュー作となる映画『父、帰る』で、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞したアンドレイ・ズビャギンツェフ監督。発表する作品が常にカンヌを賑わせており、今作はアメリカで起こったマービン・ヒーメイヤー事件、「ヨブ記」、「ミヒャエル・コールハースの運命」、トマス・ホッブズ著「Leviathan」……数々の書物と現実の事件にインスパイアされ生まれた『裁かれるは善人のみ』はロシアを舞台としながら、世界のどこでも起こっている善と矮小な人間の欲から生まれた悪を描きだす。

映画『裁かれるは善人のみ』あらすじ

入り江のある小さな町。自動車修理工場を営むコーリャは、若い妻リリア、そして先妻との間に生まれた息子ロマと共に、住み慣れた家で暮らしている。1年後に選挙を控えた市長のヴァディムは、権力に物を言わせ、彼らの土地を買収しようと画策する。自分の人生の全てともいえる場所を失うことが耐えられないコーリャは、強行策に抗うべく、友人で弁護士のディーマを頼ってモスクワから呼び寄せ、市長の悪事の一端を掴み、明るみに出そうとするのだが……。穏やかだった海はすべてを飲み込むかのごとく荒々しく姿を変える。圧倒的な自然の前では人間が非力なように、欲が肥大し強大になった権力を前に闘うコーリャもまた、なすすべもなく打ちのめされていく。正直に生きる矮小な人間に、神は味方をするのだろうか――。

[スタッフ]
監督・脚本=アンドレイ・ズビャギンツェフ
[キャスト]
アレクセイ・セレブリャコフ、エレナ・リャドワ、ウラジーミル・ヴドヴィチェンコフ、ロマン・マジャノフ

ロシア映画/140分
原題=LEVIATHAN(2014)IMDb
日本公開=2015年10月31日
配給=ビターズ・エンド
公式サイト http://www.bitters.co.jp/zennin/
© 2014 Pyramide / LM

2015年07月27日 掲載
2015年09月03日 更新[予告編動画]

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