池松壮亮、宮沢りえ、吉田大八

宮沢りえ『紙の月』で映画界に恩返し

映画会見/イベントレポート 東京国際映画祭

池松壮亮、宮沢りえ、吉田大八[シネママニエラ]第27回東京国際映画祭コンペティション部門において、本年の日本映画として唯一選出された『紙の月』の公式会見が10月25日に六本木アカデミーヒルズ49Fスカイスタジオにて行われ、主演の宮沢りえ、池松壮亮、そして吉田大八監督が出席した。以下、一問一答で掲載。

宮沢りえの優美なドレス姿

――コンペティション部門の日本代表として、世界に挑むわけですが、自信のほどはいかがでしょうか?

吉田監督:普段は日本語でものを考えて作っているので、日本以外の広い世界ではどういう位置づけで見えるのか、想像するのは刺激的で楽しみです。

宮沢:監督は撮影中はとても緻密な演出をなさる方で、梨花という役、『紙の月』という作品はこれ以上は出来ないというぐらいの思いでどのシーンも作り込んで、それが積みあがって出来上がった作品です。自信を持って、胸をはって、皆さんにお見せできる作品になっています。

池松:コンペに選ばれたからには、自信を持って結果を待ちたいと思います。

――エンドロールに流れる曲は「ファムファタール」という(質問した記者の)母国アメリカの音楽でしたが、この曲を選んだ理由を教えてください。

吉田監督:僕の好きな曲なんです(笑)。男性の視点で女性を見つめている曲だと思うのですが、「ファム ファタール」になれる人ってそうそういないですよね(笑)。梨花が見送られながら、向こう側に歩いていくイメージなんです。すべての男性が彼女を見送っているわけです。あと、宮沢さん演じる梨花の姿とニコの歌声がマッチするんですよね。

――この映画祭で国内外問わず注目されるわけですが、今、海外から出演オファーがあったら積極的に参加されますか?

宮沢さん:素敵な監督と脚本があれば、どこへでも飛んで行くつもりです!

――先日のレッドカーペットイベントで、7年間ためていたものをすべて出し切った」とおっしゃっていましたが、その「ためていたもの」とはなんですか?

宮沢:7年間は舞台を経験していました。30歳で野田秀樹さん演出の「透明人間の蒸気(ゆげ)」に出させていただいたとき、自分の無力さを痛感したんです。それで40歳になるまでは出来るだけ身も心も舞台に費やしたい、舞台にきちんと立てる役者になりたいと思ったんです。その間も映画のオファーはありました。でも、40歳までの目標を達成するために舞台をやってきました。そこで学んだこと、豊かになったことがたくさんありました。そろそろ映画をやりたいと思ったときに、ちょうどこの映画のオファーをいただいたんです。タイミングってとても大事ですね。7年間ためておいたものを全部放出できました!

――今のお話をお聞きになって、監督いかがですか?

吉田監督:蜷川幸雄さんや野田秀樹さんなど、世界的な舞台演出家とお仕事をされて、映画から距離をとっていらしたのを映画人としては悔しく思っていました。この作品をオファーするときも一か八かという感じでした。タイミングが良かっただけというのは後で知りましたけど(笑)。彼女が引き受けてくれたことで勝負できる作品になったと、改めて自信を持ちました。

宮沢:タイミングが良かっただけではなく、吉田監督にも興味があったんですよ(笑)。

映画『紙の月』は2014年11月15日より全国ロードショー!

宮沢りえと池松壮亮、なごやかに談笑 ※音声は含まれておりません

2014年 日本映画/126分
日本公開=2014年11月15日
配給=松竹
公式サイト http://kaminotsuki.jp
©「紙の月」製作委員会

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