アリアーナ・リヴォアール、仏の三重苦マリー・ウルタン役を語る

アリアーナ・リヴォアール「人間は誰でも困難の前では平等」

映画で知る世界 映画インタビュー

「映画もバリアフリーに」と必要性と理解を訴える

――映画のイメージと実際のアリアーナさんは、イメージが違いますね。

アリアーナ・リヴォアール|Ariana Rivoireわたしは体を動かすのが大好きで、とても活発な性格です。エネルギッシュだし、走るのも早いんですよ。だからアクション映画などにも出てみたいです。

――マリーという役を通して共感したことなどありますか

実生活でわたし自身がコミュニケーションの困難を経験していたからマリーの役ができたと思います。美容院やパン屋さんに行くにしても日常生活の中で、なかなかわたしの要求していることが分かってもらえないことがあります。わたしたちろう者にとっては、皆さんが理解してくれないことがさらなる困難になってしまうのです。そんなことをこの映画を理解していただけたらと思います。お互いがお互いの違いを理解して寛容な心をもてたら争うこともなくなるのに、と感じています。

――撮影で大変だったシーンはどこですか?

暴れるシーンです。シスターマルグリットと取っ組み合いになるシーンがありますが、取り直す時に最初からまた全部を演じなければならないので、暴れるシーンは結構大変でした。逆に野生児のようなマリーが木登りをするシーンでは、わたしも田舎育ちで高い木に登っていたので、楽々とこなすことができました。

――アリアーナさん自身が好きな映画はありますか?

映画『奇跡のひと マリーとマルグリット』場面写真
© 2014 – Escazal Films / France 3 Cinéma – Rhône-Alpes Cinéma
『ダイバージェント』とか大好きです。わたしが観るのはアメリカ映画が多いですね。実はフランス映画は実はあまり観ないんです。演技がわざとらしいしフランス映画のユーモアも重く感じてしまいます(笑)。

――初来日の日本についてどう思いましたか?

人々が礼儀正しくて優しくてびっくりしました。フランスでも日本食を食べたことがありますが、やはり本場のお寿司はおいしかったです。

――この映画で伝えたいことはありますか?

この映画はわたしのようにろうであるとか、バリア(障がい)をもった人たちにも観てほしいということです。フランスでは、本作をフランス語の字幕付きで観ていただくことができたんです。そのために監督が、様々なところに掛け合って、大変な努力をしました。皆さんに、そんな風にバリアフリーで観ていただく、違いをもっている人も含めて皆さんに楽しんでもらうのが映画という娯楽だと、わたしは思います。

人間はそれぞれ困難をもっている、違いももっている。でも映画というものの前では、皆が平等に楽しめることが大切だと思います。たくさんの人たちが均等に機会をもらえるという、今回、監督の尽力のもとにそのようにアクセスできたことは素晴らしいことです。この方法が、フランスのパイロットモデルとして世界中に広がっていくことをわたしは祈っています。

映画『奇跡のひと マリーとマルグリット』は、2015年6月6日[土]よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー

フランス映画/94分
Marie Heurtin(2014)IMDb
配給=スターサンズ、ドマ
公式サイト http://www.kiseki-movie.jp/
© 2014 – Escazal Films / France 3 Cinéma – Rhône-Alpes Cinéma

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