ハートポーズのリクエストにこたえる登壇者の皆さん

堺雅人×井川遥ら『平場の月』お気に入り台詞を明かす

映画会見/イベントレポート

堺雅人×井川遥ら『平場の月』お気に入り台詞を明かす

恋愛映画の名手・土井裕泰監督が、第32回山本周五郎賞を受賞した、朝倉かすみさんの小説「平場の月」を映像化した映画『平場の月』の完成披露試写会がイイノホールにて開催され、堺雅人、井川遥、坂元愛登、一色香澄、中村ゆり、椿鬼奴、吉瀬美智子、大森南朋、土井監督が登壇。各自が、お気に入り台詞を発表した。

映画『平場の月』完成披露試写会舞台挨拶
左から土井裕泰監督、椿鬼奴、中村ゆり、坂元愛登、堺雅人、井川遥、一色香澄、吉瀬美智子、大森南朋
映画『平場の月』完成披露試写会舞台挨拶
左から土井裕泰監督、椿鬼奴、中村ゆり、坂元愛登、堺雅人、井川遥、一色香澄、吉瀬美智子、大森南朋

中学時代の初恋の相手同士である男女が、時を経て再会し、惹かれ合う姿を描く本作。互いに独り身となり、様々な人生経験を積んだ二人が意気投合し、離れていた時間を埋めるように心を通わせていく展開は、「これまでにない大人の恋愛小説」として話題を呼んだ。
撮影は、中学パートの青砥と須藤を演じた坂元、一色のシーンからスタートしたという。「もちろんプレッシャーもありましたが、現場に入って、かすみちゃんが演じる須藤を見た時に、何も考えずに「そこに須藤が居る」と感じました。だから、集中するだけで自分の中の青砥ができあがっていく感覚がありました。演じる前は、すごくプレッシャーだったんですが、現場に入ってからはただ須藤を追いかけていただけでした」(坂元)、「愛登さんが全力で演じているのを受けて、私も須藤を演じられたと感じているので、私の方こそ感謝しています。ありがとうございます」(一色)。

ハートポーズのリクエストにこたえる登壇者の皆さん
ハートポーズのリクエストにこたえる登壇者の皆さん

大人になった青砥と須藤を演じたのは堺と井川だ。堺は「今のおふたりのコメントで、心が洗われました。僕も、慢心せずにちゃんと準備して、現場の共演者に集中して、邪念なくやらなきゃと思いました」とニッコリ。「中学時代を演じた、ふたりは特に良いので、皆さん、楽しみにしてください」とアピールもしていた。大人パートの撮影について、堺は「ふたりの映像を、スマートフォンに送っていただきました。おふたりのクランクインの日は、『今日がクランクインだ!』と思いながら、でも自分は出番がないので、家でドキドキしていました。ふたりの映像を観て、『もうできたも同然だな』と思って、『これに乗っかれば良いんだな』と考えました。家でゴロゴロしていても、映像がスマホに送られてくる…。『なんて便利な時代だろう』と、技術の進歩に感動しました」とユーモアを交えて振り返った。井川も「若いふたりが先に関係を築いてくれている映像を、私たちは受け取ってから撮影に入れたので、本当にこの2人がそのまま大きくなったというのをまとって、演じられました」と優雅に微笑んでいた。

堺は「ジワジワとくる物語ですので、楽しんでいただければと思います。星野源さんの主題歌「いきどまり」も本当に素敵な曲で、作ってくださった星野さんに心から感謝申し上げます。原作の朝倉かすみ先生にも、ロケ地の朝霞の皆さんにも、いろいろな方に“ありがとうございました”と、ご報告したい気持ちでいっぱいです」という感謝を言葉にし、イベントを締めた。

堺雅人と井川遥、上映後にサプライズ登壇
堺雅人と井川遥、上映後にサプライズ登壇

実は、この日、堺と井川は上映後サプライズで観客前に再び姿を見せてくれた。堺は「あまり言葉にならなくて…。」としながらも「『ああしておけば良かったのかな?』『あの時はああだったなー』と、自分の人生振り返るように、後からいろいろと思うような物語があるんだと思いました。そんな不思議な時間を過ごしていたことに、撮影が終わってから気づきました」とコメント。井川も、こみ上げる思いがあったようで「役と自分が一つになっている感覚があって、人生を生きてきた中のきらめきを切り取っていただいた感じがしました」と涙を拭いつつ、語っていた。

そんな本作を観る時に「どこに出てくるのかな?」「誰が話すのかな?」と探してもらえたらとして、「イチオシのセリフ」を教えてくれた。堺も「人それぞれ違うので、面白い質問ですね」と述べていたが、気にかけながら鑑賞するのも楽しいので是非。

堺雅人
堺雅人
堺「おまえ」

何回も出てくるんですが、大好きな人を「おまえ」って言うんですよ。最初は、女性を「おまえ」って呼ぶのは、なんか偉そうな感じがするし、ちょっと違和感があったんです。台本を読んだ時も、原作を読んだ時も、終わってみると、後からそれが「いいな」と思うようになりました。

井川「ちょうど良く幸せなんだ」

私たちの年齢なると、「ちょうどいい」がやっと分かるような感じがしています。本当に『平場の月』ならではの言葉だと思うし、私たちが噛みしめるような言葉だなと思って、すごく好きですね。

坂元「一緒にいてくれる人がいるって当たり前のことじゃないぞ」

このセリフは、めっちゃ沁みます。本当に良いので観てください。

一色「わたし一人で生きていくって決めてるの」

須藤が発する言葉ですが、人となりが分かるというか、生きていく上での覚悟を感じて、それがすごくカッコ良いなと思ったので選びました。

中村 青砥がお姉ちゃんにプレゼントをするシーンのやり取り

私はセリフではなくて、青砥がお姉ちゃんにプレゼントをするシーンのやり取りが、本当に可愛くて好きです。大人だからこそ、ちょっとファニーなやり取りがあるので、そこに注目して観ていただきたいです。私はニヤニヤしながら観ていました。

椿「思い出ってなかなか捨てられないのよね」

せっかくセリフをいただいたので、安西のセリフから選びました。サラッと流れていきそうですが、結構深くて良いことを言っています。

吉瀬「愛ってよくわからないけど、傷つく感じが」

私もセリフではなく、(劇中曲「メイン・テーマ」の)歌詞の一部です。映画を観た後からずっと頭から離れませんでした。感じ方も気持ち一つで幸せに感じたり、感じなかったりします。だから、そこにはすごくいろいろな思いが詰まっているなと思って、グッときました。

大森「それはあまりにも青春だし」

この答えは、ちゃんと見直して考えてきた。でも、考えてきた答えがすでに出てしまって…、被っても良いかなとは思ったんですが、せっかくだから別の答えにします。(スマートフォンを取り出して、メモを確認する)「それはあまりにも青春だし」という井川さんのセリフ! ちなみにかぶったのは、「思い出ってなかなか捨てられないのよね」と「一緒にいてくれる人がいるって当たり前のことじゃないぞ」です。

土井監督「痛恨だな」

どこのシーンかは言いません。これがどういう場面で、どういう風に発せられるのか、楽しみに観ていただければと思います。

映画『平場の月』(東宝 配給)は2025年11月14日[金]より全国公開
©2025映画「平場の月」製作委員会

映画『平場の月』あらすじ・作品データ

妻と別れ、地元に戻って印刷会社に再就職し、慎ましく、平穏に日々を生活する、主人公・青砥健将(あおと けんしょう)。その青砥が中学生時代に想いを寄せていた須藤葉子(すどう ようこ)は、夫と死別し今はパートで生計を立てている。お互いに独り身となり、様々な人生経験を積んだ二人は意気投合し、中学生以来、離れていた時を埋めていく。
ある日、アパートの部屋から月を眺めていた須藤。「お前、あのとき何考えてたの?」青砥にそう問われ、「夢みたいなことだよ。夢みたいなことをね、ちょっと」そう答えた須藤。再び、自然に惹かれ合うようになった二人。やがて未来のことも話すようになるのだが……。(2025年/日本映画/118分)
堺雅人 井川遥
坂元愛登 一色香澄
中村ゆり でんでん 安藤玉恵 椿鬼奴 栁俊太郎 倉悠貴
吉瀬美智子 宇野祥平 吉岡睦雄 黒田大輔 松岡依都美 前野朋哉
成田凌 塩見三省 大森南朋

原作:朝倉かすみ「平場の月」(光文社文庫)
監督:土井裕泰 『花束みたいな恋をした』『罪の声』『映画ビリギャル』
脚本:向井康介 『ある男』)
主題歌:星野源「いきどまり」(スピードスターレコーズ)
製作:映画『平場の月』製作委員会
公式サイト:https://hirabanotsuki.jp/
公式X(@hirabanotsuki)
公式Instagram(@hirabanotsuki)

映画『平場の月』予告編

©2025映画「平場の月」製作委員会

映画『平場の月』公式サイトhttps://hirabanotsuki.jp/
公式SNS X(旧Twitter )@hirabanotsuki| Instagram @hirabanotsuki| TikTok
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