ジェイク・ギレンホール『複製された男』インタビュー

ジェイク・ギレンホール「葛藤や妥協は世界共通だと思う」

映画インタビュー 映画会見/イベントレポート

――観客の困惑を誘う手法ですよね?

ジェイク・ギレンホール『複製された男』インタビュー僕らは白と黒や、陰と陽みたいに分かり易いストーリーには慣れているし、コンセプトも理解出来る。この映画を不穏に感じるのはハッキリと明暗が分かれていないからだと思うよ。今までの対立の概念を破壊してしまうくらい、観客を困惑させることが出来たら面白いね。
悲観的なことを言うつもりはないけど、死を避ける事は出来なくても僕らは生きなければいけないんだ。僕にとってこの二人のキャラクターは、まさにそうで同じ問題に対して違う悩み方をしているだけで、一方が生き残るためにはもう一方が全てを投げ出し諦めなければならない。その選択に対する答えを描いたのがこの映画なんだ。

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――複製された男を演じた経験はいかがでしたか?

世の中で他の人がやっている仕事を考えると、僕の仕事は少し下らないと思えるとこもあるから、なるべく「疲れた」なんて言いたくないんだけど、考えを整理する点からいうと、数分、時には数秒の間隔で心理状態を繰り返し切り替えないといけないとなると、さすがにちょっと疲れるよね。でも役者として、どう言ったらいいかな…、自分の演技を相手役の目線から見る事が出来るのは面白い経験だったよ。普通は自分の演技が相手にどのような影響を及ぼすか、自分では分からないからね。相手にどんな影響を与えるか考えることはあっても、それを実際に体験することはまずないからね。この映画の場合、特殊な撮影方法のおかげでそれを体験することが出来たよ。

――相手役の女優陣について

この映画の凄いところはとても個性的な3人の女性の存在と、それを見事に演じた女優がいるという点だね。イザベラ・ロッセリーニの場合は一つのシーンを一日で撮ったわけだし、メラニー(・ロラン)とは役作りなどに対して話し合ったけれど、サラ(・ガドン)に関しては凄い存在感と高潔さ、そして誠実であるための必死さとでも言うべきものがあった。それと彼女とは演技に対する姿勢や取り組み方に対して似たような考えがあることにも気がついたんだ。この映画は色んなことに対する発見そのものだから、そのプロセスが面白かった。ドゥニ監督の映画への解釈を考慮すると、各シーンで求められているパートナー、特にサラが演じるヘレンの役には、ただ入ってきて空間を埋めるだけではなく、答えを導き出すことが求められているんだ。彼女との共演は最高にいい経験だったよ。

R15+
日本公開=2014年7月18日
配給=クロックワークス、アルバトロス・フィルム
© 2013 RHOMBUS MEDIA (ENEMY) INC. / ROXBURY PICTURES S.L. / 9232-2437 QUEBEC INC. / MECANISMO FILMS, S.L. / ROXBURY ENEMY S.L. ALL RIGHTS RESERVED.

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