映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』(原題 5 Flights Up )

モーガン・フリーマン『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』語る

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モーガン・フリーマン「人の意見を無視して好き勝手にやるわけにはいかない」

ニューヨークで犬のお散歩をするモーガン・フリーマン
愛犬ドロシーとお散歩
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「この映画の原作の主人公はユダヤ人の夫婦なんだけど、僕自身が出るために異人種の夫婦にしたんだ。脚本の出所はCAAで、実を言うと当初僕らはユダヤ人の夫婦を演じるつもりだったんだ。僕がユダヤ人になれるようにちゃんと背景も考えてあった。母親がユダヤ人でない人も改宗すればユダヤ人になれる。彼が改宗して妻の姓を名乗ったとすれば、僕の役名も原作のとおりアレックス・コーエンだ。でも結局それはやめようということになった。

アレックスは、当時新進気鋭の若手画家だった。ダイアンが演じたルースはそこに絵のモデルとしてやってきたんだ。ルースは若いころから勇敢で芯の強い女性だった。結婚を反対する自分の家族に立ち向かったんだよ、アレックスと結婚するためにね。そして 本当に結婚し二度と過去を振り返らなかった。アレックスは、アーティストだから、すごく敏感なんだ。自分が評価されていないと感じたら“もうダメだ”となってしまう。それでも長年絵を描き続けられたのは妻の励ましがあったからだろう。

僕とアレックスはまったく畑違いの世界にいるからね。僕自身はショービズの世界にいるから観客を喜ばせるのが仕事だし、人の意見を無視して好き勝手にやるわけにはいかない。アーティストの中でも画家や音楽家もある程度はそうかもしれないが、とにかく 絵やビジュアルを扱うアーティストは客の要求に応えられないと思う。客だって要求のしようがないよ。ゴッホに「星月夜」が売れる」なんて教えられる人はいない、誰にも予期できないからね。思いついたままを描くしかない。彼女が色の配置に口出しするシーンは とても良かったよ。彼女が正しいよ(笑)。

愛犬ドロシーはアレックスから妻への贈り物、映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』より
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今回はアパートの中でのシーンがほとんどだったが、特に難しいと思うことはなかったよ。実際には あのアパートの3階で撮影していたんだ、5階ではなくてね。アレックスが 犬のドロシーをルースに贈るシーンがあったね。彼女にとってはとても大事な犬なんだ、この夫婦は子供を持てなかったからね。動物病院でのシーンは面白かったよ、アレックスは 犬のための高額な手術に乗り気じゃない。それで“蘇生しない”という紙を手にするけれど、妻の反応を見て“何でもしてくれ”と一気に態度を変えるんだ。犬ではなく 彼女のためにね」

リチャード・ロンクレイン監督 映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』インタビュー1/19-
ダイアン・キートン 映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』インタビュー1/26-

【モーガン・フリーマンの今後の展望】

僕の“やりたいことリスト”にはまだ続きがあって、あと3本ほどプロデュースしたい作品があってね。西部劇に戦争映画に宇宙映画だ。それには僕自身は出演しないで若い人を使うことになると思うが、自分の会社があるから実現は可能だし、実現させるつもりでいるよ。

映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』(スターサンズ 配給)は2016年1月30日[土]よりシネスイッチ銀座ほかにて全国公開
公式サイト http://www.nagamenoiiheya.net/

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