井浦新『止められるか、俺たちを』で若松監督に最大級ギャグで感謝示す

映画会見/イベントレポート

日本映画史に残るアナキーな鬼才・若松孝二監督逝去から6年。映画『凶悪』『孤狼の血』などで知られる若松プロダクション出身の白石和彌監督が放つ、若松プロ青春クロニクルムービー『止められるか、俺たちを』がついに完成。9月20日には東京・新宿テアトルにて完成披露試写会が行われ、主演の門脇麦、共演の井浦新、そして白石和彌監督が登壇した。

井浦新『止められるか、俺たちを』で若松監督に最大級ギャグで感謝示す

若松プロダクションの助監督・吉積めぐみを演じた門脇麦は「この話を頂いたときは若松さんとゆかりのある方が揃っていて、皆さんの想いにはどんなに必死に追いかけても届かないものがあるという不安があった」と若松プロや監督自身に面識がないゆえの不安を吐露。ただその心境を演じためぐみに重ねて「めぐみさんが何も知らないで若松プロに飛び込んだことは一致しているので、成立すると思った。若松監督を演じた新さんのようにモデルとなる像がない分、自分はある意味で距離をとって、フラットにやるのが役割だと思えた」と気持ちを切り替えたという。

若松孝二監督を演じた若松組常連俳優の井浦は「自分にとっては映画の父親のような存在。だから若松監督を演じるのは禁じ手だと思った」と明かし「若松プロの先輩方からは“変なものを撮ったら承知しないぞ”“お前に若ちゃんをやれるわけがない”“やれるものならやってみろ”と言われたので、僕は“モノマネ大会をするつもりはない!”と言い返した」と実在の人物を演じるがゆえに、レジェンドたちに誓いを立てたという。しかし実際は「僕は100%モノマネをしました。それは大先輩への最大限のギャグです。最大の愛情を持ってレジェンドたちを笑かしてやるつもりのギャグ。天国にいる若松監督に“馬鹿たれ!”と笑いながら怒ってもらうために、僕は最大級のギャグで感謝を返すことを選びました」とその狙いを明かした。

左から井浦新、門脇麦、白石監督
左から井浦新、門脇麦、白石監督

助監督として若松プロで腕を磨いた白石監督は「僕自身が若松さんの映画作りの原点を見てみたかった。若松さんの“日本映画のメジャーとは違う”と映画を作っていたその気概を自分の中にも入れたかった」と企画始動理由を説明。若松監督の背中を追ったことで「映画で描いた2年半の中だけでも、信じられないくらいのエネルギーで若松さんは映画を撮っていた。亡くなるまで100本以上映画を作っていたと考えると、自分は若松さんのことを知っているようでわかっていなかった」と日本映画史のアナキーな巨人の大きさに驚いていた。

また映画の内容にちなんで“ぶち壊したいもの”を聞かれた門脇は「過去の自分」と答え「この作品を撮影したのは、去年の10月。この頃の顔って1年しか経っていないけれど、もうできないし、そういった瞬間を人は生きている。これからも常に過去の自分を全部ぶち壊すようなつもりで生きていきたい」と前進宣言。最後に門脇は「完成した映画を観た時に、劇中で生きている人たちが凄くカッコいいと思った。シャカリキに必死に生きているのはカッコいいこと。これぞ“青春キラキラムービー”だと思う。観客の皆さんには一生懸命に生きるっていいなと思ってもらえれば」とメッセージを込めた。

映画『止められるか、俺たちを』(スコーレ配給)は2018年10月13日[土]よりテアトル新宿ほか全国順次公開
©2018若松プロダクション

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