両手でハートのサインをするトム・クルーズ

トム・クルーズ「36年ぶり続編に必要なものは?」『トップガン マーヴェリック』来日会見

映画会見/イベントレポート

3年10か月ぶりに、トム・クルーズが主演映画『トップガン マーヴェリック』(原題 Top Gun Maverick )のプロモーションで来日。記者会見では、「36年ぶり続編に必要なものは?」など約1時間にわたり作品の魅力を熱く語った。

両手でハートのサインをするトム・クルーズ
両手でハートのサインをするトム・クルーズ

この日の会見は、予定時間より20分ほど早くスタート(スターが遅れるのは通例のところ)。100以上のメディアが集結し熱気に包まれた記者会見場には、前作から続く同作の楽曲「TOPGUN ANTHEM」が響き渡る。トム・クルーズとジェリー・ブラッカイマーの二人が姿を現した。

左からジェリー、トム
左からジェリー、トム

にこやかに手を振り、深く頭を下げ、手を胸にあて、とにかく大歓迎への喜びを表現していた。また、会見の途中にトムがかわいく手を振る姿も・・・・・・(そのお相手は、トムの通訳としておなじみの字幕翻訳者・戸田奈津子)。

1.36年ぶりの続編に必要なのは人を感動させるストーリーテリング!
2.トム・クルーズ、俳優用に戦闘機訓練プログラムを監修!
3.戦闘機のコックピットにSONY製IMAXカメラ6台搭載!
4.映画への情熱!

1.36年ぶりの続編に必要なのは人を感動させるストーリーテリング!
トム・クルーズ、今回も隅々まで手を振ってくれました
トム・クルーズ、今回も隅々まで手を振ってくれました
トム・クルーズ

大きなスクリーンで楽しんでもらうためにこの作品を作りました。何故作ったのか、それはファンの皆さんのためです。多くの方々から何十年もこの作品の続編を求めてもらいましたが、まだ私には準備ができていなかったんです。刺激的な時間も多く、やりたいこともたくさんあって、正しい続編とは何なのかをきちんと見つけなくてはいけなかった。
ジェリーと僕はもう何年も映画作りについて話してきています。で、今作はどうやろうかと。「グリーンスクリーンは使わないと」いう意向に賛同してもらえました。海軍には、「こういう風にやろうと思います」と話を持っていきました。

ストーリー・イズ・キング(ストーリーが最も重要です)。カメラのレンズを覗き見れば、どんなストーリーかが見えてきます。どこにカメラを置けるのか、どんなレンズを使うべきかが見えてきます。広角レンズなのか、望遠レンズなのか。描いているのはどういう感情なのか。映画の勉強をする時には、どうすればできるのかということを常に考えます。
アートは、才能によるもの。アーティストの才能とは、人に影響を与えられることだと思います。それは笑いだったり、笑顔だったり、そういった感情を作り出します。人を感動させるストーリーテリングです。
カーレースの撮影をする時は、どこにカメラやレンズを配置すべきか、どんなストーリーを語っているのか、ということを考えます。『トップガン マーヴェリック』の冒頭と最後に、P-51という第二次世界大戦時の飛行機が登場するんですが、あれは僕の自家用機です。僕は編隊飛行もできるし、曲芸飛行も練習しています。そういうことをやっている間でも、頭の中では映画のこととか、ストーリーのことを考えている(笑)。いつもそんな感じです。戦闘機のコックピットに座っているような体験と、エモーショナルなストーリー、そのすべてが正しく揃ったから作ることができました。

ジェリー・ブラッカイマー

トムは、この36年の間に映画界でも最高峰の監督や脚本家、俳優たちと仕事をしてきたので、『トップガン マーヴェリック』では彼の様々な経験と知識のすべてが発揮されています!

2.トム・クルーズ、俳優用に戦闘機訓練プログラムを監修!
ジェリー・ブラッカイマー
ジェリー・ブラッカイマー
ジェリー・ブラッカイマー

トム・クルーズとの仕事はリアルが求められます。トム自身が操縦免許を持つパイロットです。今回トムは、共演俳優のために3か月間に及ぶ飛行トレーニングプログラムを監修しました。最初は小型のプロペラ機に乗り、そして曲芸飛行をする機体に乗り、やがてジェットに乗りました。これは、G(重力)に耐えられるようになるためです。1Gは、自分の体重分に値します。彼らは、F-18のシーンで7から8Gに耐えなくてはいけないので、G耐性をつけるために段階を上げていきました。1作目『トップガン』のときも、トムや他の俳優たちを戦闘機に乗せたけど、使える映像だったのはトムだけ、ほかの皆は吐くか失神していました(笑)。本作でも俳優たちは実際のパイロットと同じく、曲芸のような飛行をすべてリアルに体験しているんですよ。

トム・クルーズ

空撮の仕組みや、技術の進歩もあって、『バリー・シール/アメリカをはめた男』(原題 American Made |ダグ・リーマン監督)では、カメラを機体につけた撮影をしました。『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(原題 Mission: Impossible – Fallout |クリストファー・マッカリー監督・脚本 )はヘリコプターにぶら下がる空撮スタントをして、日々研究してきました。
でも、それだけでは「コックピットにカメラを積んでやろう!」という話には進めらません。ストーリーとキャラクターはもちろん、何ができるのか?を相手にも視覚的に理解させなくてはなりませんから。
例えば、前作でもトニー・スコット監督が開発した5分ほどの映像が機内で撮影できる当時最新鋭のカメラがあったんです。自分で飛行機を操縦するときにも、どんな撮影ができるんだろうと10年以上も考えてきました。

3.戦闘機コックピットにSONY製IMAXカメラ6台搭載!
トム・クルーズ熱弁!
トム・クルーズ熱弁!
ジェリー・ブラッカイマー

一見すると楽勝にも見える映像になっているかもしれないんですが、全くそうではないんです。トムのように、素晴らしい経験があり、本物を追求する人間だからこそできること。彼は朝早くから飛んでブリーフィングを行うんです。万が一事故に繋がってはいけないのでクリアしないといけないことも多く、SONYがこの作品のために開発した6台のIMAXカメラを狭いコックピットのなかに積みました。俳優たち自身が、コックピットの中で自分で撮影をするので、飛んでいる間はどんな映像なのか観られない。下りてきてチェックして、ディスカッションをして、そしてまた飛んで再撮影(笑)。地上、コックピットの中や外、別の飛行機からもカメラを向けて、同時に22台のカメラで撮影しているときもありました。非常に複雑で難しいことをやってくれました。多くの方は一度も行くことのない世界を体験できますよ。そして、それもほんの一部です。

トム・クルーズ

簡単な決断ではなかったんです。ずっと続編を求めてもらえて失望させたくなかった。このような時代だからこそなおさらですし、映画館で観る時には、(身を乗り出して)こうやって観て欲しいです!(笑)。

4.映画への情熱
左からジェリー・ブラッカイマーとトム・クルーズ
左からジェリー・ブラッカイマーとトム・クルーズ
トム・クルーズ

シンプルですが、とにかく努力をすること、一生懸命に仕事をすることです。夢を生きることができている幸せな人間なのです。世界中を旅して、異なる土地でその文化を体験できる映画を作ってきました。『ラストサムライ』(原題 The Last Samurai |エドワード・ズウィックが監督)という素晴らしい作品もつくることができました。自分の人生は常に映画と共にあると思っていて、フィルムメイカーとして有能でありたいですね。この作品は前作と同じスピリットを感じていただきたかったので、1作目を皆で観て、いろんなことを話し合いました。常に観客の皆さんにどう楽しんでもらえるかを意識してきました。

ジェリー・ブラッカイマー

とにかく我々ふたりはこの仕事が大好きでやっています。常により良くしたい、最高のものにしないと気が済まないんです。

映画『トップガン マーヴェリック』あらすじ・作品データ

エリートパイロット養成学校“トップガン”。ベスト・オブ・ザ・ベストのパイロット達をもってしても、達成不可能なミッションに直面した彼らのもとに、軍トップに上り詰めた旧友アイスマンの特命を受けた、伝説のパイロット・マーヴェリック(トム・クルーズ)が教官として赴任。マーヴェリックは、圧倒的な飛行テクニックで、常識破りの訓練を実施し、若きトップガンの度肝を抜く。生還可能性0のミッションへの出撃が迫るなか、若きトップガンのひとりと成長した亡き親友グースの息子ルースター(マイルズ・テラー)から、「父はあんたを信じた。だから死んだ」と糾弾されるマーヴェリックは、「もう誰も死なせたくない」と、強い決意を胸に秘め、若きトップガンたちと共に、再び過酷なミッションが待ち受ける空に命を懸ける。上映時間=131分(原題 Top Gun Maverick )

映画『トップガン マーヴェリック』予告編

映画『トップガン マーヴェリック』(東和ピクチャーズ 配給)は2022年5月27日[金]より全国公開
©2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

映画『トップガン マーヴェリック』公式サイト
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